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ふぐセミナーFUGU-SEMINAR

ふぐ中毒

ふぐ中毒
1、三木氏の手記 2、意識があった脳死 3、ふぐ肝食はやめよう!

  ここで、実際に起こったふぐ中毒の話をします。

1、三木氏の手記
  京都府ふぐ組合で理事をされていた三木伸治氏の手記
 「俺の眼から見たふぐは魔物である」からの引用です。(三木様には許可を得ています)

 自分の生家は古くから続いたふぐ料理、鮮魚店を営んでいました。
 自分が14歳の時、ある日、
 父が昼食の1時頃、4キログラム有余ある大きなトラフグ(活け)の肝臓を取り出して、
 清水で洗って、(大)のサイコロ状に切り、素早く三杯酢に浸し、
 酒と酢に浸したふぐの生肝を三切れ、母と私との目の前でうまそうに食べていました。
 父は昼食が終わるとすぐに昼寝をする癖がありました。
 3時を過ぎたとき、父は急にベッドから起きあがり、
 「ふぐでやられた!」
 と大声でいいました。
 母と自分は父の顔を見たとたん、父の鼻からまるで小豆粒状の血がポタポタと多量に流れ、
 父の胸は真っ赤に染まっていました。
 母と自分は驚いて体ががたがたと震えていたことをはっきりと覚えています。
 すぐに父を病院に急行しました。
 その時、父は自分で溢れ出る鼻血をタオルで押さえながら、
 上を向いて病院のベッドへ自分から横になりました。
 このとき、父の意識ははっきりとしていました。
 医師たちによる胃の洗浄、強心剤、人工呼吸等で鼻血は止まりました。
 40分位たって父の体は少し落ち着いたかのように見えました。
 その成り行きを終始母と自分は見ていました。
 医師たちは父の容体が安定するのを見て、医師の部屋へ戻っていきました。
 母と自分は父の横たわるベッドの脇で無言で座っていました。
 ふと時計を見ると、5時20分を指していました。
 外は薄暗く、あまりにも父は静かで、眼を閉じたままで、これは少し様子がおかしい変だと思い、
 急いで医師を呼びました。
 医師たちは、脈を取る、注射を打つ、人工呼吸をほどこす。
 そして、父の胸を押さえる、頬をたたく、耳元で口を付けて大声で呼びかけるなど必死の様子。
 だが、その時すでに父の意識はありませんでした。
 医師たちは私たちの顔を見て首を横に振りました。
 時計を見ると5時50分を指していました。

中略

 話を元に戻すと、父は元気だった頃、10日に一回ぐらいの割で、
 自分で、ふぐの内臓を取り出して、生肝を先に述べたように三杯酢で、
 小指の先ぐらいの大きさに切り、酒の肴にしていました。
 自分でも自信があったようで、何回となく、同じやり方で、回を重ねて、
 だんだんと生肝を大きくしていき、エスカレートしていったのです。
 そうして、今回の大事故となったのです。

中略

 自分は思うのですが、ふぐ中毒を起こした場合、
 まず第一に、胃の洗浄、強心剤の投与、人工呼吸を時間を掛けて永く続けていくことだと思います。
 ここで一番大事なことは、患者が2時間ほどたって正常になったように見えても、
 医師は絶対に患者の脇から離れないことです。
 自分の父の場合、このことで失敗したのです。

  今、三木さんはふぐ中毒がこの世の中から無くなるよう、心より願っておられます。

2、意識があった脳死
  もう一つ、新聞の切り抜きより、大変興味深い話をします。
  (昭和53年1月19日木曜日 京都新聞の朝刊より)
  この話は、
  ふぐ中毒に当たって、医師より脳死状態であるとの宣告を受けながら、
  その状態の中でも意識はあったという、考えれば誠に恐ろしい話です。

話は、去年のクリスマスイブ。
 患者は、仮に京都市中京区、会社員Aさん(40)としておこう。
 Aさんは同僚との忘年会で、フグ料理を食べた。
 興が乗じるにつれて好奇心から、ついついフグのキモへ指が伸びた。
 親指一本分ぐらいのトラフグのキモ一人前半をペロリとたいらげてから、
 30分後にフグ毒がAさんを襲った。
 手足の痺れ、軽い言語障害などフグ中毒の特有な症状が表れた。
 救急車で、市内の救急病院へ運ばれたのが、30分後の午後8時45分ごろ。
 その時点で、Aさんにはまだ“意識”は残っていたが、10分ー15分後には、息もたえだえ。
 意識障害も進行し、人工呼吸につながれた午後9時すぎ、Aさんは完全に意識を失っていた。

中略

 救急車で搬入された時点で、患者は強度のショック状態だった。
 最高血圧が70前後で、すぐ輸液を始めた。
 多少の意識はあり、最初は会話が出来たが「息が通りにくい」と訴えながら、
 まもなく意識不明となった。
 瞳孔(どうこう)は散大し呼吸停止。
 臨床的には“脳死”によく似た状態で、いわゆる植物人間のようなもの。
 幸い心臓が働いていたため、人工呼吸に切り替え体力の回復を待った。

中略

 ところが、ここに一つのおもしろい事実がある。
 医師はAさんの容体を“脳死”状態と判断した。
 呼吸停止が起こってから、Aさんが何の反応も起こさなかったためである。
 しかし、意外な事にいったん意識を失ったと思われたAさんの意識が、
 実は鎖に繋がれていた24時間、完全に生き続け、
 医師の処置法から家族の泣き声など一部始終の様子を知っていたことである。
 フグ毒で体の反射神経がマヒして、外見的な反応が出来ないだけで、
 意識中枢は犯されていなかった。
 回復後、Aさんは
 「何とか意識があることを告げようともがき。眼で合図した」
 と語っているが、医師側は、瞳孔が拡大している所見から
 「とても意識がある状態とは思えなかった」
 と言う。

 

  上記の新聞記事は非常に興味深く、そして恐ろしいものだと思います。
  なぜならば、Aさんは意識がありながら、医師によって“脳死”だと判定されたのです。
  想像してみてください。
  貴方が、そのような状態(意識がありながら脳死状態と判定されたとして)になったとします。
  そして、貴方はドナーカードを持っていたとします。
  貴方の内臓は移植のため、提供することとなります。
  貴方は意識がありながら、お腹を切られ、内臓を引っ張り出されます。
  当然、脳死状態の貴方には、麻酔は施されません。
  反射神経が麻痺していて、「僕はまだ生きています!」と言えません。
  知覚神経は侵されていないので、痛みはあるでしょう。
  怖いですね。

3、ふぐ肝食はやめよう!
  今現在(2015年)、ふぐの肝(肝臓)卵巣(真子)その他有毒部位は、
  食品衛生法第6条により、全国的に規制されております。
  そして、各都道府県はそれに準じて条例、要綱等が制定されております。

  くれぐれも、ふぐ肝食はやめましょう。
京都府ふぐ組合全国ふぐ連盟
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