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ふぐセミナーFUGU-SEMINAR

ふぐの毒

ふぐの毒
1、ふぐ毒テトロドトキシン 2、テトロドトキシンの分子式 3、ふぐ中毒の症状 
4、解毒剤 5、ふぐはふぐ毒で死ぬか? 6、血液と眼球

1、ふぐ毒テトロドトキシン
  ふぐの毒はテトロドトキシンと言い、青酸カリの約千倍の威力を持つ猛毒で、その毒力は
  1mgあたり約5000MU(マウスユニット)
  という数値が報告されています。
  1MU(マウスユニット)とは
  約20gのマウスを一匹殺せる毒力を言います。
  そして、人間の致死量は
  約10000MUと報告されています。
  つまり、約2mgのテトロドトキシンで、ヒト一人を殺すことが出来ると言うことです。
  かの有名な、サリンの毒力に匹敵する猛毒です。

2、テトロドトキシンの分子式
  テトロドトキシンは1909年に田原良純博士によって、命名され、
  その構造は東京大学の津田恭助博士ら、名古屋大学の平田義正博士ら、
  ハーバード大学のウッドワード博士らの各グループによって、
  1964年、ほぼ同時期に
  解明されています。
  その分子式は、
  1117
  という構造です。

3、ふぐ中毒の症状
  まず、ふぐで中毒になった場合、
  約30分後に頭痛、吐き気、唇の周りの痺れ等が起こります。
  その後、手足の感覚が麻痺し、皮膚感覚、味覚、聴覚等が麻痺してきます。
  もっと進むと、運動不能、骨格筋弛緩、腱反射消失、発声不能、嚥下困難、チアノーゼ、
  胸間苦悶、血圧降下、脈拍不整等の症状が起こり、意識が混濁して、呼吸が停止し、
  そして死に至ります。

  それでは、ふぐ中毒にあたった場合、必ず死んでしまうのでしょうか?
  ふぐの毒はヒトの体内に入った場合でも、いつかは尿などから排出されます。
  比較的早期の場合、人工呼吸や心臓マッサージなどを続ければ、必ず、治ります。
  そして、ふぐの毒は体内には蓄積されません。
  後遺症は残らないと報告されてます。
  ですから、もしもふぐ中毒にやられたと思ったら、すぐに病院に運ぶように。
  処置が早ければ、必ず治ります。
  又、中毒しない程度にフグ毒を摂取しても、フグ毒に対する抵抗性や免疫性を獲得は出来ません。
  「自分はふぐの肝を常時食べているから少々の毒でも中毒しない。」
  などと通ぶって食べる事はもっての外です。

4、解毒剤
  ふぐの毒は大変強力で、恐ろしいということは解ったが、
  その毒をなくするにはどうしたらいいのでしょうか?
  焼いたり煮たりすれば、毒は消えるのでしょうか?
  ふぐの毒、テトロドトキシンはどのような有機溶媒にも溶けず、水にも溶けません。
  そして、摂氏200度C以上でも分解せず、
  塩酸、硫酸、硝酸等の高濃度の酸液の中に一昼夜浸しておいても、少しも変化しません。
  ただ、濃度の高い酸液、アルカリ液にて煮沸すれば
  容易に分解することが出来るのみです。
  つまり、少々のことでは分解せず、科学的にはかなり安定した
  低分子自然毒と言えます。
  たとえ、高濃度の酸液、アルカリ液の中で煮沸して、毒を消したとしても、あとに残ったものは、
  食するに値しません!
  そんなもん臭くて喰えまへん。
  答えは、
  どんな調理方法
  (食するに値する調理方法;煮たり、焼いたり、塩でもんだり、水でさらしたり)
  でも毒は消えません。

  では、ふぐ料理は非常に危険な料理なのでしょうか?
  いや、それは素人のあさはかさで。
  そのような危険な部分は食べなければいいのです。
  ふぐの種類によって毒のある部位やその毒量は全く異なるから、
  (ふぐの種類のページ参照)
  そのことをきちんと勉強をしていて、
  法を守っているお店のふぐなら全く問題はありません。

  例えば、トラフグの筋肉部分、皮、白子なんかは全くの無毒です。
  反対にヒガンフグの皮、白子は有毒で食べてはいけません。
  ほんの少しでも毒のある可能性のある部分(ふぐの肝臓、いわゆる肝等)
  は絶対に食べてはいけません。
  人命に関わることですから、細心の注意をはらって、調理に当たらねばなりません。
  まして、免許のない者がみだりに調理することなどもってのほか。

  解毒剤についてのいくつかの報告がありますが、どれもこれも、
  決定的な効果を持っている薬はありません。
  しかしながら、前にも言ったように、ふぐ中毒は最終的に、
  呼吸困難や血圧降下によって
  死に至るのですから、比較的早期の場合
  (呂律が回らなくなって、手足が痺れてきて、「こりゃあ、ふぐに当たっんだ。」と、思ったとき)
  なら、人工呼吸や心臓マッサージで命は助かります。
  フグ毒は、尿により排出されます。
  発症から約8時間も、持ちこたえると、急速に回復して、
  後遺症も残らないと言われています。

5、ふぐはふぐ毒で死ぬか?
  ふぐはふぐ毒テトロドトキシンを食べて死ぬのでしょうか?
  厳密に言うと、ふぐはふぐ毒によって死ぬことがあります。
  でも、ふぐはふぐ毒テトロドトキシンをある程度体内に蓄積できる能力を持っておりますが、
  ふぐ自体必要以上には摂取しようとはしません。
  むりやり、ふぐの腹腔内に多量のテトロドトキシンを投与したりすると、ふぐは死んでしまいます。
  でも、ふぐはふぐ毒テトロドトキシンが非常に好きであって、
  ふぐにとって、テトロドトキシンはいわゆるフェロモンのような作用をするのではないかと、
  又、精神安定剤のような役目をするのではないかと、報告されています。

  結論として、ふぐの毒は非常に怖いのですが、
  きちんと処理さえすれば全く安全で、
  むやみに怖がる必要はありません。

6、血液と眼球
  古来より、ふぐの血液と眼球は有毒と言われていました。
  現在でも、ふぐの血液と眼球を有毒であると信じ込んでいる人がいます。
  我が国でも江戸時代より有毒視されていた、血液と眼球ですが、
  現在では、有毒であるとの報告はされていません。
  そもそも、なぜ血液と眼球が有毒と言われていたのでしょうか?
  それは、中国明代の「本草綱目」(16世紀)にふぐの血液と眼球は有毒であると記載され、
  我が国でもその影響を受け、江戸時代より有毒視されてきました。
  しかし、研究データーは少ないのですが、
  ヒガンフグ、アカメフグ、トラフグの血液は無毒であり、
  眼球についても有毒であるとの報告はありません。
  マフグ、アカメフグ、トラフグの眼球は無毒であり、
  センニンフグの眼球から6MU(マウスユニット)/gの毒量が検出されています。
  そもそも、センニンフグ(日本海沿岸ではお目にかからない。)は全身が猛毒のフグです。
  又、10MU(マウスユニット)/g以下は無毒とされています。
  そして、人間が致死に達するには、10000MU(マウスユニット)が、必要で、
  約2gの眼球を800個以上食べねば死に至りません。
  眼球800個(1.6kg)のふぐ料理!
  食べますか?
  現在、大学の研究や厚生労働省の意見では、
  「無毒であるとの証明は出来ないが、毒性は発見されていませんので、無毒と言えます。」
  との答えです。
  要するに「本草綱目」で、ふぐに関する記述に於いては正確であるとは言えません。
京都府ふぐ組合全国ふぐ連盟
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